鳥居礼(日本画家)/「ホツマツタヱ」の研究家
2009年 04月 17日
魂の奥から沸き起こった“日本の美を描きたい”という強い衝動!
日本画家という道に辿り着いたのは、父が奈良県吉野の古い土地の生まれであったこと。自分が育った東京都文京区が、寺社や骨董屋の多い土地柄だったこと。上野の国立博物館にも近く、そこで大和絵の明るさに魅了されたこと。そういうことが深く関わっていると思う、と鳥居さんは語られました。
そして、偶然に出会った「ホツマツタヱ」
(ホツマはホンマ、ツタヱは伝え=本当の伝え)
古代文字で書かれていたのは、古事記や日本書紀以前の日本固有の伝承、言霊のこと。その「ホツマツタヱ」の解読に没頭することが、鳥居氏の独自の美意識を生み育て、それが緊張感の高い作品世界へ昇華されている。何も知らない私が最初に作品から感じた“神”は、そういう鳥居さんの魂から導き出されたものだったのですね。
「ホツマツタヱ」は自己の解放に繋がり、世界はひとつだということを教えてくれた。だから何かそこに“日本の役割(お役目)があるのではないか”と感じている。吉野にある子守り神社のこと。伊勢神宮の依頼で描いている2012年、遷宮行事の絵のこと。ウクライナ国立美術館で開催された日本人初の展覧会のことなど、鳥居さんの豊富な話題は尽きることがありませんでした。
・どうして、日本を“日のいずる国”と云うのか。
・日の出と赤ん坊が生まれるエネルギーは同じ。
・赤は太陽=男、白は月=女、伊勢神宮の伊は女(イモ)、勢は男(オセ)。
・伊勢神宮は男と女の道を説く場所。伊勢物語は男女の恋のやりとり。
・遠くアフリカの部族のものと酷似している古代の伝承。
・ウクライナの人々を通して感じる数々の共通点。
神社の参道はお母さんの産道。お宮は子宮(こみや)、神社は病院であり美術館だから、神社の美意識を心に写し取って欲しい。最高の美を感じること。理屈は後からついてくるから。。。。そしてさりげなく云われた言葉、“高い美意識がないと高い芸術性は生まれないから、画家に学問は必要ですよ”。鳥居さんは大切なことを、にこやかにさらりと話してくださる方でした。
毎日欠かさずにすること!自作の庭を眺めながら、鯉に餌をあげること。夢は?やまと大学(学校)を作って日本文化のルーツを教えること。大切にしている言葉は?“和わす”(やわす)心をやわす。心を柔らかくするという意味。「ホツマツタヱ」の最高の教えで、その心が最高のものを創っていくということに繋がる言葉です。
好きな音楽は?
Maria 〜ブラームス交響曲第3番第3楽章より〜 谷村新司
A HAZY SHADE OF WINTER(冬の散歩道) Simon&Garfunkel
道成寺(どうじょうじ)中井智弥・岩田拓也
(ウクライナ美術館展覧会のために作曲された曲)
by crossroadmidori | 2009-04-17 18:30 | 2009.04.17〈鳥居礼〉