上田美江子/資生堂 ヘアー&メイクアップ アーティスト
2009年 06月 26日
“ヘアー&メイクアップ”の世界で活躍、ニューヨークから戻ったばかりと云う、上田美江子さん。第一線で仕事を続けるパワーと情熱はどこから? でも実際にお会いしたら、たくさんの肩書きから想像するものとはほど遠い自然体のたおやかな女性でした。
仕事場は資生堂ビューティークリエーション研究所。資生堂の宣伝広報活動における撮影、雑誌やファッションショー、ヘアー&メイクセミナーなどをビューティーディレクターとして幅広くこなす上田さん。ニューヨークでは中国向けのポスター撮影。国内海外と仕事があるところに飛んで行く。資生堂ビューティークリエーション研究所には、そんな精鋭が40人程いるそうです。そんな中で最近のちょっと変わった仕事は、 若田光一さんにヘアー&メイクを指導するというもの。
宇宙で使えるヘアーワックス!
宇宙飛行士・若田光一さんの大切なミッションのひとつ。それは宇宙船内で挑戦する無重力舞踏「飛天」(お茶の水女子大・石黒節子名誉教授によるプロジェクト)。宇宙空間で使えるヘアーワックスの開発をする一方で、ゴールドとシルバーが輝く幻想的なメイク、ワックスで髪の毛を讃えるという技を若田さんに伝授! 最初は「僕に出来ますか?」と不安気だった若田さん、でもやるとなったらもの凄い集中力で、宇宙では何でもひとりでこなさないといけないという気迫を感じとても“格好良かった”そうです。
美容師の大学院SABFA
ヘアーメイクスクールSABFAは、プロたちがさらなるレベルアップを目指す美容師の大学院のようなもの。講師として上田さんが育てた数多くの愛弟子たちは、ヘアー&メイクアーティストとなってさまざまな場面で活躍。また「美容共同組合、日本ヘアデザイン協会創作設定副委員長」として全国の美容院経営者に向けて、春夏の新しいヘアー&メイクの提案やショーを開催するなど、まさに美の世界を東奔西走している上田さんの原点は ↓↓↓
資生堂・夏のキャンペーンポスター
10代・青春の思い出。湘南にドライブした時にラジオから流れてきた資生堂・夏のキャンペーンソング “時間よ止まれ”にググッと来ちゃった。ハツラツとした女性美と矢沢永吉の渋い声。ポスターをお店でもたったりして、“そうか、こういうポスターをつくる仕事があるんだ!”と気がついた。小さい頃に、髪の毛をいじってもらった時に味わった自分が変わって行くワクワク感。それが今の仕事に導かれた根っこにあります。 “時間よ止まれ”
美のテーマは“日本の美”“アジアの美”
ショーやセミナーで発表する作品は、日本やアジアの美を表現したもの。古いものから学びながら、現代の背景にあった美を創造するのがアーティストとしてのテーマ。日本女性の黒髪や美しい肌、着物の柄合わせの大胆さなど、同じ女性だから感じるもの、女性だから表現出来る“美”があると思います。Yilana「Eternal Horizon〜蒼き空の果て」はステージでよく使う曲。イラナはモンゴル人のアーティストで馬頭琴の調べが美しい。
家庭と仕事の両立
結婚前は、男性には負けたくないの一心で何にでも頑張っていたけれど、結婚して子供が生まれてから、“男も女も関係ない、みんな助け合っていく仲間なんだ”という意識に変わった。夫の理解と協力、両方の母親たち、職場の仲間たちの協力。流れにまかせようと思ったら肩の力が抜けたんです。家族と過ごす時に聞くのは平原綾香「明日」
大切にしている言葉
“自分の心に素直に生きたい”頭ではなくて心で決める。思い立ったら吉日で、今日あそこへ行きたい、これをしたいと思ったら思った方に行く。直感を大事にしています。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
和と洋の融合がテーマという上田さん。最近、日本的なもの“和”が見直されていますが、新しさって古典や伝統的なものの中にそのヒントがあるのではないかな、と思いました。
by crossroadmidori | 2009-06-26 00:03 | 2009.06.26〈上田美江子〉