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中島誠之助さん(古美術鑑定家)   

今週のゲストは、テレビの「開運!なんでも鑑定団」でおなじみの中島誠之助さんです。テレビで拝見する和服ではなく、茶のジャケットでスタジオへ。ベルト、靴、バッグまでコーディネートにとても気を遣ってらして、普段着もとてもダンディです。

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品物の鑑定は一瞬。
10年前に古美術商の現役を退いても、講演活動、有田焼・伊万里焼などの商品チェック、山歩き、エッセイストとしての執筆活動と、多忙な日々が続きます。
「開運!なんでも鑑定団」は現在16年目。「出品された品物を鑑定するのは一瞬。プロの世界では、話を聞けば品物を見た方がよいかどうかわかる」のだそうですが、テレビの場合は、なぜそれが偽物なのかを、30秒から1分の短いコメントでまとめなければならない。そこが古美術商とは違う新しい苦労。たまに間違えることがあると、放映中にFAXが送られてくるので、放送の仕事はとても緊張する。



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ロックフェラーの天使の羽辻井伸行
デビューアルバム「debut」より。流れるような澄んだメロディに心が洗われるような曲。辻井さんはこの曲を小学校6年の時に作曲されたという。演奏旅行でN.Y.を訪れたときに、雪の降る中、天使の羽根のオブジェを触ることができて、その時の気持ちを曲にしたそうです。



良い物しか扱わないから在庫がない。
子供の頃、古美術商だったおじさんのもとに養子に入ったことが、古美術商になるきっかけ。ところがおじは店を構えているわけでもなく、身の回りに在庫がまったく置かれていなかった。それが不思議で、ある日おじに「なぜ古美術商なのに商品がないのか」をきいてみたら、「良いものしか扱わないから在庫がない。朝仕入れると夕方には売れてしまう。物がないのが本当の目利きなんだ。」と言われた。このとき目から鱗が落ちた。おじのもとには、「中島さんが仕入れた物なら間違いないからすぐに買う」と言ってくれるお客さんが大勢いらっしゃった。
人はいろいろな才能を持っているが、古美術の世界に入ったのは、それが身近にあったから。「仕事は、そこにある物に飛び乗ることが大切。」最初は古美術商としてやっていけるかどうか不安だったが、それは誰でも同じように不安なのだと思う。


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つぐない♪ テレサ・テン
1984年の全日本有線放送大賞、日本有線大賞などを受賞した大ヒット曲。透き通ったロマンティックな歌声と情感溢れる歌詞は日本中を魅了しました。




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本物はスッと体の中に入ってくる。
人からよく、「本物を見極めるにはどうすればよいですか」ということを聞かれるが、実は偽物を見るようになったのはテレビの仕事を始めてから。それまでは本物しか見せてもらえなかった。良い物、本物を見ることでしか、本物を見極める力はつかない。「それが本物であれば、スッと体の中に入ってくる」。古美術とは隠微なもの。生産の利くものは、本物か偽物かという立脚点に立つことはない。しかし、古美術のように生産に利かないものは、相手の言うことを信じてはいけない。だからものが分かるようになる。


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♪碧空♪ マランド楽団
マランド楽団はオランダで始動したタンゴ楽団。1935年、マランドことマリー・アースランドによって結成され、46年から本格的な演奏活動を開始。「オレ・グァッパ」「星降る宵」「グワピータ」など、多数の名曲を生み出し、タンゴのみならずポップスの世界でも人気を博しています。来日経験も豊富で、日本でも確固たる支持を得ています。


今でも、次から次へとやりたいことがある。古希の一年間で俳句を一千句作った。それを今推稿しているところ。次は何に挑戦されるのでしょうか?


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大切にしている言葉:
「プロは間違っちゃいけない。命がけでやる。」

名言の中島さん。今日もたくさん良いお話をお聞かせ頂きましたが、最後はとっても哲学的で、頭の中がこんがらがってしまいました。「本物しか見ていないから本物が分かる」とおっしゃる中島さん。ご自身もとてもオシャレな本物の紳士でした。

by crossroadmidori | 2009-11-06 20:19 | 2009.11.06(中島誠之助)

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