カテゴリ:2009.10.02〈北口正人〉( 1 )   

北口正人さん(株式会社 阪神コンテンツリンク 常務取締役)   

この番組のゲストの方としては久しぶりに、スーツ姿で登場の北口さん。「阪神コンテンツリンク」という会社の役員でいらっしゃいますが、どんなお仕事をなさっているのか…。音楽好きの方にはうらやましい、楽しいお話しが盛りだくさんです!
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大切にしている言葉「We make every guest happy」

「ビルボード・ライブ」の開業を手掛ける。
北口さんは、東京の六本木ミッドタウンにある「ビルボード・ライブ」(http://www.billboard-live.com/)の開業を手掛けました。ブルボードクラブは、阪神コンテンツリンクが音楽事業の一環として、アメリカのビルボードとマスターライセンス契約を結んで開業したクラブ&レストラン。「ビルボード」という名前からもわかるとおり、アメリカのヒットチャートにのるような海外の有名なアーティストの演奏を聴きながら食事もできるのです。現在は東京の六本木ミッドタウンと、大阪のハービスPLAZA ENTの2箇所で営業しています。

ビルボード東京はステージの後ろが大きなガラス張りになっていて、ステージが終わるとカーテンを開けて、夜景が見えるようになっています。素敵な空間の中で、上質なライブを楽しめる、とても贅沢でオシャレ!
「いいライブを小さい会場で聴いてもらいたい。アーティストの方にも、空気感を味わってもらえるので、好評」。
「ビルボード・ライブ」は、オープン以来、洋楽だけだったのですが、邦楽を聞きたいという声が多くなったので、今年の4月くらいから日本のアーティストも登場するようになりました。

累積赤字が5億になったら、会社をつぶす。
このお仕事について、「別に好きな仕事というわけではない…」とおっしゃる北口さん。阪神電鉄に入社して、「ブルーノート」を日本で開業することになり、その担当者に指名されて、「最初は断りました。自信がなかったけど、辞令なので…。」
会社との約束は2つ。累積赤字が5億円になったら会社をつぶすことと、全て直営でやること。」電鉄会社で、だれもこんな事業をやったこともなかったので、最初は本当に誰も何も知らなかった。オスカー・ピーターソン、ジョニー・ベレットなどのそうそうたるアーティストと、値段も分からないところで交渉。「相手は海外なので交渉も大変だし、英語なんか使ったことはなかった。」というところからのスタートでした。

f0207537_16174636.jpg「Aja(エイジア)」スティーリー・ダン

「ビルボード・ライブ」のオープニングアクト
ビルボード・ライブは東京と大阪がほぼ同時に開業したため、準備は大変だったのですが、スティーリー・ダンは昔から好きだったので一度呼んでみたかった。



60日間のアメリカ滞在で受けた
カルチャーショック

音楽に目覚めたきっかけは、1977年、高校一年の時にボーイスカウトの活動でアメリカに60日間滞在したとき、イーグルスやグラハム・セントラル・ステーションの音楽に触れたこと。アメリカでの60日間はまさにカルチャーショック。日本に戻ってきてからまったく勉強しなくなった。滞在先のバークリーでは16才からドライブもできるしみんな銃を持っていた…。

大学の卒論は「ジャズとアメリカ経済史の関係」
高校の軽音楽部の中にビッグバンドがあったので、そこでドラムスを担当していました。そして日本に戻って初めて見たコンサートが「バディ・リッチ」。ビッグバンドで8ビート、16ビートのグルーブ感があるサウンドを聴いて、そこから音楽ばかり聴いていました。大学ではフュージョンに傾倒して、ジェントル・ソーツ、シー・ウィンド、カシオペアなどをコピー。卒業論文は「ジャズとアメリカ経済史の関係」

f0207537_16191737.jpg「Nuttville」バディ・リッチ

「Nuttville」が収録されているアルバム「THE ROAD OF ‘74」

バディ・リッチは本当に印象的。コンサートを見たとき、長方形で音が飛んでくるような感じがした。のってくるとステージ、壁、お客さんの頭、何処でもたたく。
本当にすごいヒト。

全くの素人集団でスタート。
会社をつぶさなくて済んだ

阪神電鉄に入社して、「ブルーノート」の開業を担当。
「そこから苦労が始まりました。」
なんと言っても、素人集団でのスタート。レストランなのでサービスも必要だし、お客さんも集めなくてはいけないし、全て手探りで運営を行っていきました。
「ブルーノート=ジャズでなくても良いのではないか」ということで、幅広いジャンルのアーティストを呼ぶようになり、3年目で黒字転換。会社をつぶさなくて済みました。


ビルボード・ライブと阪神タイガース?
その後、阪神電鉄のグループである阪神タイガースのコンテンツビジネスも任されることに。阪神タイガースについては、それまでグループの中に、様々なコンテンツに関する権利がなかったのだそうです。そこでテレビ中継、カレンダー、携帯サイトなどのコンテンツを管理するようになりました。

ビルボード・ライブと阪神タイガースに、こんな結びつきがあったなんて…。

f0207537_16243226.jpg「Give me the night」ジョージ・ベンソン

ジョージ・ベンソンは大阪ブルーノートのオープニングアクト。
大阪ブルーノート開業の3ヶ月前に、入国管理の法律が変わったため、ジョージ・ベンソンが来日できないかも知れないという事態になった。オープンの前日、書類を持って香港へ迎えに…。その書類がないと入国できないという状況だった。

社員をどう守れるか
好きなことを仕事にできるということは、幸せなことだと思います。ブルーノートの仕事をしている頃、友人達と異業種交流会に参加。そこで浜松市の鈴木市長とも交流を持つようになりました。そんな出会いあって、これまでがんばることができました。
会社の中でまったく新しい事業にトライすることには、それなりの苦労がありました。基本的には、会社の上層部は事業の内容が分からないので、結果を求められことになります。黒字であれば文句は言われないのですが、ときどき上層部から社員に対して理不尽な要求を出されることもあります。そんなとき、「社員をどう守れるか」ということを大切にしてやってきました。

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大切にしている言葉:We make every guest happy
これは、会社全体のスローガンでもあります(http://www.hcl-c.com/)。ゲストの皆様全員に、幸せな気持ちでライブを聴いていただく。そのためには、お客さんをお迎えする方も、幸せな気持ちでお客様と接しなければいけませんね。

時折見せる鋭い目が印象的な北口さん。最初は「好きな仕事ではない」と仰っていましたが、音楽の話をしているときの表情は、「音楽大好き」そのものです。好きなことを仕事にできたことの喜びと、だからこそ、直面するさまざまな問題に立ち向かって、事業を成功させることができたのだろうと感じます。
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by crossroadmidori | 2009-10-02 16:25 | 2009.10.02〈北口正人〉