カテゴリ:2009.05.01〈天野安喜子〉( 1 )   

天野安喜子(宗家花火鍵屋15代目)   

天野安喜子(あまのあきこ)
大切にしている言葉 “人への感謝”
     
      宗家花火鍵屋15代目。日本大学芸術学部・芸術学博士学位取得。
    柔道福岡国際女子選手権大会 銅メダル。北京オリンピック柔道競技審判員。
     
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              宗家花火鍵屋
              創業(萬治2年)1659年
               今年で350年目

歴史ある家業を継いだ、鍵屋初の女性当主。北京オリンピックでは女性初の柔道競技審判員。何かと“女性初”のキャリアを持つ天野安喜子さんは、元気いっぱいエネルギー溢れる江戸っ子!という感じで登場。スタジオが一気に華やいだ感じになりました。

日大芸術学部を卒業した芸術学博士。花火を総合芸術として捉えている花火師。そして、小学校3年生のお子さんの母でもあるから、才母と言うのが正しいのかもしれませんが、才媛という言葉がふさわしい雰囲気をお持ちの方でした。

             花火の歴史は鍵屋の歴史

1695年というのがどういう年なのか、イメージを掴もうとおもって調べてみました。なんと徳川幕府はまだ4代目家綱の時代。そして大石内蔵助が生まれた年。そんな年に鍵屋は江戸の花火屋として誕生。打ち上げ花火はまだなく、手持ちのおもちゃ花火だったそうです。やがて、花火を丸く開かせたり,色をつけたりと工夫が重ねられ、鍵屋は“江戸花火”を育てていったのです。

               鍵屋の由来
             守り神はお稲荷さん

京都・伏見稲荷の門前に鍵と玉をくわえたおきつねさんがいて、のれん分けの際に本家は“鍵”、分家には“玉”と言うことで、ふたつの屋号が誕生。私たちの耳に馴染むかけ声、“鍵屋”“玉屋”。 玉屋はのれん分けした分家だったのですね。

            大きくなったら花火師になる!
             初めての女性当主誕生

小学校2年生から「花火師になる!」と言っていた。でもそれは花火が好きというより、父の姿が格好よかったから。自宅にある柔道場で慕われる父も、学校のPTA会長の父の姿も全部が格好よかった。祖母からは女性は不浄のものだから、火の神が宿る現場には入ってはいけないと言われていたけれど。。。“女性でもできる”という時代になった。15代目曰く「私はラッキーだったのです!」 こうして、初めての女性の当主が誕生したのです。

               花火は怖い!

花火師にとってまず大事なことは、「花火は怖い!」といういうことを知ること、そしてその次に「花火が好き!」という気持ち。いかに危険な仕事であるかと言うことを改めて感じる言葉でした。花火製造の勉強を2年。修行に終わりはないから、好奇心があれば一生が修行。人が喜ぶものを創るのは、人ができることだから。そして奇麗で良い花火を作るだけが仕事なのではなく、大切なのはコミュニケーション。それを14代目の父の姿からたくさん学んだと云う15代目。

               花火と音楽

15代目のこだわりは花火大会の会場に流す音楽にもありました。観客の皆さんに躍動感を伝えるオープニングの音楽。場面を盛り上げる音楽。そして花火のテーマ(たとえば“雲海に浮かぶ富士”)に対する観客の皆さんの千差万別のイメージをどうやって方向付けるのか? そんな工夫と努力、こだわりを15代目は花火の中に込めて打ち上げているのです。
(*第33回江戸川区花火大会)

             
             花火の特質は色と形と光と音
               花火は光の芸術

花火の特徴は大きく分けると3種類。色は赤・緑・青・黄・紫・金・銀の7色が基本。そしてまさに身体全体で受け止める花火の音。活力が芽生える音。ストレス発散の音。花火は心の写し鏡だと云う言葉があるけれど、音の振動から得る感動を伝えるのが花火師の仕事。そして醍醐味なのでしょう。その命がけの花火師の仕事があってこその感動を私たちはじっくりと味わいたいものです。15代目天野安喜子さんの言葉は、人に感動を与える仕事にかける情熱に溢れていました。今年の夏の花火はひと味違ものになりそうです。

                大切にしている言葉
                “人への感謝”

          ここまで来れたのは皆さんの応援のお陰だから。
          皆さんから頂いたご支援にどう恩返しができるか、
            それを心にいつも前に進んでいる。


                 好きな曲は?
  
   060.gifアバ「ザ.ウィナー」
    柔道の審判で海外へ行く時に機内で聞く曲。気持ちが盛り上がって、
    “よーしやるぞ!”という気持ちになる。

   060.gif澤野弘之「貧乏男子オリジナル・サウンドトラック
     (Back to the Starting Point)」
    花火大会で花火打ち揚げと共に流す音楽。オープニングスタートの合図。
  
   060.gifサザンオールスターズ「TSUNAMI」
   小学校3年生の娘が5歳の時から口ずさむ曲。
   一緒に車で出かけるときにせがまれて何度もかける。
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by crossroadmidori | 2009-05-01 01:00 | 2009.05.01〈天野安喜子〉