天野安喜子(宗家花火鍵屋15代目)   

天野安喜子(あまのあきこ)
大切にしている言葉 “人への感謝”
     
      宗家花火鍵屋15代目。日本大学芸術学部・芸術学博士学位取得。
    柔道福岡国際女子選手権大会 銅メダル。北京オリンピック柔道競技審判員。
     
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              宗家花火鍵屋
              創業(萬治2年)1659年
               今年で350年目

歴史ある家業を継いだ、鍵屋初の女性当主。北京オリンピックでは女性初の柔道競技審判員。何かと“女性初”のキャリアを持つ天野安喜子さんは、元気いっぱいエネルギー溢れる江戸っ子!という感じで登場。スタジオが一気に華やいだ感じになりました。

日大芸術学部を卒業した芸術学博士。花火を総合芸術として捉えている花火師。そして、小学校3年生のお子さんの母でもあるから、才母と言うのが正しいのかもしれませんが、才媛という言葉がふさわしい雰囲気をお持ちの方でした。

             花火の歴史は鍵屋の歴史

1695年というのがどういう年なのか、イメージを掴もうとおもって調べてみました。なんと徳川幕府はまだ4代目家綱の時代。そして大石内蔵助が生まれた年。そんな年に鍵屋は江戸の花火屋として誕生。打ち上げ花火はまだなく、手持ちのおもちゃ花火だったそうです。やがて、花火を丸く開かせたり,色をつけたりと工夫が重ねられ、鍵屋は“江戸花火”を育てていったのです。

               鍵屋の由来
             守り神はお稲荷さん

京都・伏見稲荷の門前に鍵と玉をくわえたおきつねさんがいて、のれん分けの際に本家は“鍵”、分家には“玉”と言うことで、ふたつの屋号が誕生。私たちの耳に馴染むかけ声、“鍵屋”“玉屋”。 玉屋はのれん分けした分家だったのですね。

            大きくなったら花火師になる!
             初めての女性当主誕生

小学校2年生から「花火師になる!」と言っていた。でもそれは花火が好きというより、父の姿が格好よかったから。自宅にある柔道場で慕われる父も、学校のPTA会長の父の姿も全部が格好よかった。祖母からは女性は不浄のものだから、火の神が宿る現場には入ってはいけないと言われていたけれど。。。“女性でもできる”という時代になった。15代目曰く「私はラッキーだったのです!」 こうして、初めての女性の当主が誕生したのです。

               花火は怖い!

花火師にとってまず大事なことは、「花火は怖い!」といういうことを知ること、そしてその次に「花火が好き!」という気持ち。いかに危険な仕事であるかと言うことを改めて感じる言葉でした。花火製造の勉強を2年。修行に終わりはないから、好奇心があれば一生が修行。人が喜ぶものを創るのは、人ができることだから。そして奇麗で良い花火を作るだけが仕事なのではなく、大切なのはコミュニケーション。それを14代目の父の姿からたくさん学んだと云う15代目。

               花火と音楽

15代目のこだわりは花火大会の会場に流す音楽にもありました。観客の皆さんに躍動感を伝えるオープニングの音楽。場面を盛り上げる音楽。そして花火のテーマ(たとえば“雲海に浮かぶ富士”)に対する観客の皆さんの千差万別のイメージをどうやって方向付けるのか? そんな工夫と努力、こだわりを15代目は花火の中に込めて打ち上げているのです。
(*第33回江戸川区花火大会)

             
             花火の特質は色と形と光と音
               花火は光の芸術

花火の特徴は大きく分けると3種類。色は赤・緑・青・黄・紫・金・銀の7色が基本。そしてまさに身体全体で受け止める花火の音。活力が芽生える音。ストレス発散の音。花火は心の写し鏡だと云う言葉があるけれど、音の振動から得る感動を伝えるのが花火師の仕事。そして醍醐味なのでしょう。その命がけの花火師の仕事があってこその感動を私たちはじっくりと味わいたいものです。15代目天野安喜子さんの言葉は、人に感動を与える仕事にかける情熱に溢れていました。今年の夏の花火はひと味違ものになりそうです。

                大切にしている言葉
                “人への感謝”

          ここまで来れたのは皆さんの応援のお陰だから。
          皆さんから頂いたご支援にどう恩返しができるか、
            それを心にいつも前に進んでいる。


                 好きな曲は?
  
   060.gifアバ「ザ.ウィナー」
    柔道の審判で海外へ行く時に機内で聞く曲。気持ちが盛り上がって、
    “よーしやるぞ!”という気持ちになる。

   060.gif澤野弘之「貧乏男子オリジナル・サウンドトラック
     (Back to the Starting Point)」
    花火大会で花火打ち揚げと共に流す音楽。オープニングスタートの合図。
  
   060.gifサザンオールスターズ「TSUNAMI」
   小学校3年生の娘が5歳の時から口ずさむ曲。
   一緒に車で出かけるときにせがまれて何度もかける。
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# by crossroadmidori | 2009-05-01 01:00 | 2009.05.01〈天野安喜子〉

永井宏(美術家)   

永井宏(ながいひろし)/大切にしている言葉 “夢をみること”

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70年代。写真の学校を出て、写真家になろうと思っていたけれど、それだけじゃ嫌だと思って、現代美術の世界で創作活動をしていた。でもそれじゃあ食べていけない。そんな時に雑誌「ブルータス」が創刊されて、ちょっと顔を出したらそのままズルズルと(編集者として)長く居ることになって・・・・。そう語り出した永井さん。
 
         仕事をやめて海辺の町へ

80年代バブルの頃、東京がどんどん変わって行った。育った町も、暮らしていた町も。居場所がなくなった。でも湘南の逗子や葉山には、子供の頃の時間の流れがあった。もともとサーフィンをやっていたし、ここなら落ち着いて暮らせるなあ。

         葉山で開いたサンライト・ギャラリー

      芸術ってなんなんだろう? 芸術って何の役に立つのだろう? 
      その疑問がいつも頭にあって、ずっとその答えを求めていた。


f0207537_4175021.jpg普通の生活の中にある芸術!こういうことをすると生活に影響がある。暮らし方が変わって行くんだ。“暮らしそのものがひとつの表現になるんだ” それを提案し証明するギャラリー。人が集まる場所は、環境や地域に影響を与えていく。そこから生まれるものがある。何が伝えられるのか。そういう作業をする空間がカフェやギャラリーなんだ。

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集まってくる人たちはなんとなく気持ちが似ている。生き方が似ている。でも寄り添うのではなく、それぞれが刺激しあいながら活動していく。サンライトギャラリーにも自然に人が集い、そこで新しいものが生まれ育ち巣立って行った。。。

そして生まれたのが、「ロマンティックに生きようと決めた理由」、今も人気のカフェのオーナーやクリエーターたち、“ロマンティックに生きようと決めた”人たち“ の本。

             
    人は誰でもモノを創ることができる!

人間は誰でも何かをイメージすることができて、それを具現化することができる。専門家でなくても写真はとれるし、絵は描けるし、文章はかける。普段の暮らしの中で自分が見つめているもの。自分のイメージを歓喜させるもの。それはいったい何なのだろう、どういうことなんだろうと思ってそれを表現する。その手段は誰でも持っているんだ。

     「ほおっておいた植木鉢を見たら、ちいさいきのこがひとつはえていた。
      嬉しくなって部屋に飾ったけど、3日目にくたっとなった。」
小山千夏

都内、そして関西でも詩の朗読会やワークショップを主宰している。大阪では小さな本屋さんで詩を読む。東京は大きすぎて人の繋がりが出来にくいけれど、大阪や京都、神戸のような街はまだ横のつながりがあっておもしろい。ワークショップは、文章を書くことで、表現するということはどういうことかを試みる場。詩をつくり、そして音楽をつくる仲間が集まって発表する。下手でも自分の表現として成立していればよい。


         自分の記憶の中にあるもの

f0207537_4462824.jpg詩にするということ。文章を書くということ。
それは自分が何を見ているのかを確認する作業。自分の記憶の中にあるものはいったい何であるのか、それを取り出す作業。家から駅までの間、ぼんやり歩いていても何かをみている。自分なりの見方がある。同じ道を歩いている100人それぞれに見え方が違う。普段の生活の中で自分が何を見ているのか、何に気がついているのか、何を感じようとしているのか。
書くということはそれに気がついていく作業。


       大切にしている言葉。
       “夢を見ること”
       自分が遠くの方を見つめられるかどうか。
       今、目の前にあるものに自分なりの夢を見られるのか?

             

音楽は聞かなくてはいけないものだから、いろいろ聞いています。音楽は生活の(身体の)一部。“聞かなくてはいけないもの”最近はバンジョーの練習をしている。

“ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンは永遠のアイドル、これは外せないね。チェロを弾きながら歌うベン・ソーリーはアビゲール・ウォッシュバーンが創ったスパロー・カルティットのメンバーで、これは彼のソロアルバム。デミアン・ライスはアイルランドの優れたシンガーソングライター。元のガールフレンドと一緒に活動してるんだ”
 

      060.gifAdd Some Music To Your Day/Tne Beach Boys
      060.gifIt's Not Impossible/Ben Sollee
      060.gifOlder Chests/Damien Rice


        ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 

f0207537_3485555.jpg「仕事ばっかりしてるんじゃない?遊んでる?」、友人から「ロマンティックに生きようと決めた理由」を渡されました。これは“狭い部屋の中で読むものじゃない”。そう感じて、私は美術館の裏山でその本を開きました。まわりでお弁当を広げる人たちの「外で食べると美味しいね。」の声に、「そうだね。」と頷いた自分が、少しだけ優しくなれたような気がしました。それが永井さんとの出会いでした。

実際にお会いしてお話しを聞きながら、永井さんが“普段の暮らしに注ぐあたたかい眼差し”を感じました。“アートは誰でもできる。特別なことじゃない。自分でやろうと思うかどうかなんだ。視点をどこに向けるのかで、日々の暮らしはこんなに変わるのだということを、永井さんは教えてくれました。
       

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# by crossroadmidori | 2009-04-24 05:01 | 2009.04.24〈永井宏〉

鳥居礼(日本画家)/「ホツマツタヱ」の研究家   

鳥居礼(とりい・れい)/大切にしている言葉 “和わす”(やわす)
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     魂の奥から沸き起こった“日本の美を描きたい”という強い衝動!

日本画家という道に辿り着いたのは、父が奈良県吉野の古い土地の生まれであったこと。自分が育った東京都文京区が、寺社や骨董屋の多い土地柄だったこと。上野の国立博物館にも近く、そこで大和絵の明るさに魅了されたこと。そういうことが深く関わっていると思う、と鳥居さんは語られました。

 f0207537_1112376.jpg そして、偶然に出会った「ホツマツタヱ」
(ホツマはホンマ、ツタヱは伝え=本当の伝え)

古代文字で書かれていたのは、古事記や日本書紀以前の日本固有の伝承、言霊のこと。その「ホツマツタヱ」の解読に没頭することが、鳥居氏の独自の美意識を生み育て、それが緊張感の高い作品世界へ昇華されている。何も知らない私が最初に作品から感じた“神”は、そういう鳥居さんの魂から導き出されたものだったのですね。



「ホツマツタヱ」は自己の解放に繋がり、世界はひとつだということを教えてくれた。だから何かそこに“日本の役割(お役目)があるのではないか”と感じている。吉野にある子守り神社のこと。伊勢神宮の依頼で描いている2012年、遷宮行事の絵のこと。ウクライナ国立美術館で開催された日本人初の展覧会のことなど、鳥居さんの豊富な話題は尽きることがありませんでした。

     ・どうして、日本を“日のいずる国”と云うのか。
     ・日の出と赤ん坊が生まれるエネルギーは同じ。
     ・赤は太陽=男、白は月=女、伊勢神宮の伊は女(イモ)、勢は男(オセ)。
     ・伊勢神宮は男と女の道を説く場所。伊勢物語は男女の恋のやりとり。
     ・遠くアフリカの部族のものと酷似している古代の伝承。
     ・ウクライナの人々を通して感じる数々の共通点。


神社の参道はお母さんの産道。お宮は子宮(こみや)、神社は病院であり美術館だから、神社の美意識を心に写し取って欲しい。最高の美を感じること。理屈は後からついてくるから。。。。そしてさりげなく云われた言葉、“高い美意識がないと高い芸術性は生まれないから、画家に学問は必要ですよ”。鳥居さんは大切なことを、にこやかにさらりと話してくださる方でした。           

毎日欠かさずにすること!自作の庭を眺めながら、鯉に餌をあげること。夢は?やまと大学(学校)を作って日本文化のルーツを教えること。大切にしている言葉は?“和わす”(やわす)心をやわす。心を柔らかくするという意味。「ホツマツタヱ」の最高の教えで、その心が最高のものを創っていくということに繋がる言葉です。

 
              好きな音楽は?
      
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Maria 〜ブラームス交響曲第3番第3楽章より〜 谷村新司
     060.gifA HAZY SHADE OF WINTER(冬の散歩道) Simon&Garfunkel
     060.gif道成寺(どうじょうじ)中井智弥岩田拓也
      (ウクライナ美術館展覧会のために作曲された曲)
              
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# by crossroadmidori | 2009-04-17 18:30 | 2009.04.17〈鳥居礼〉

サウンド・イン・クロスロード!   

      誰にでもある心に秘めたドラマ! 人生のクロスロード!

      はじめまして。望月みどりです。

  ゲストをお迎えして「人生の節目」を中心にお話をお伺いするトーク番組。
  「サウンド・イン・クロスロード」でパーソナリティーを努めています。
       
 誰もが人生で差し掛かるいくつもの交差点。立ち止まり、歩んできた人生の道。
   出会った人、場所、音楽。こころの葛藤。家族や周囲の人たちとの心の絆。
           元気づけてくれた音楽、、、。 

  語られるエピソードには、どのお話にも暖かい感動があり、笑いあり、涙あり。
    あなたの“前へ進もう”という気持ちをそっと後押ししてくれるはず。
           ぜひ遊びにいらしてくださいね。

         番組「サウンド・イン・クロスロード」
         放送時間:毎週金曜日午後6:00〜6:30


               K・MIX
               78.4MHz
          
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# by crossroadmidori | 2009-04-14 01:14 | はじめまして!