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イッセー尾形(俳優)   

      
       今週と来週は、2度目のご登場となるイッセー尾形さん。
       前回ご紹介頂いた、マックス・ラーベさんの日本公演のお話や、
       5月30日と31日に行われた、静岡・焼津公演のお話など、
            盛りだくさんでお送りします。


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マックス・ラーベ&パラスト・オーケストラ

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ゆったりとしたリズムの中にいると、人は自分にやさしくできるんだなぁと思う。気がつくと自然に身体が左右に動いている。マックス・ラーベの音楽は大げさなことを語らない。暮らしの中の何気ないことが大切だと教えてくれる歌。ゆったりとした空気感が良いなぁ〜
Max Raabe & Palast Orchester
 

 060.gifきみは我が心のすべて
  Dein ist Mein Ganzes Herz


ラーベさんって結構気さくな人なんですよ。日本語で一生懸命曲紹介をしたでしょう。「野球小僧」などの日本の歌も披露したりね。風刺が効いた音楽もある、ユーモアのセンスがある。たどたどしい日本語で、歌詞の内容を説明する。「サボテンが〜、顔面に〜、直撃」なんて。そんなことが歌になるからおかしい。

060.gifぼくのゴリラには別荘がある/Mein Gorilla hat’ne Villa im Zoo  動物園の中にゴリラの別荘がある。「政治のことは分からないけど、女房のノミをとっているのが俺の幸せだ」みたいな歌詞。オーケストラの演奏も素晴らしい。音楽は不思議だね。マックス・ラーベさんの音楽を聞くと、古き良き時代の気分になれる。僕はその時代に生まれていないんだけれど。。。

ラーベさんは日常の暮らしのほんの一コマを歌にする。僕の芝居も、日常の小さな出来事を切り取って行く。そこからお客様にいろいろなことを想像してもらう。それだけでいいんじゃないかと思う。。。

舞台は生き物。昨日と今日、同じものをやっていても違う。初日は様子をうかがっている部分と楽しんでいる部分がせめぎ合って、2日目は楽しむ。でも、どちらがよいのかというのは比べられない。緊張感がある初日と、余裕のある2日目。お客さんの環境によっても反応は変わるし、それぞれ別なものだから。

ネタづくりは、最初は作家と二人でのデスクワーク。「全国で市町村の大合併が行われた。そこに淡い恋心を抱いている気弱な青少年がいる」という芝居がある。自嘲気味に「おとなしい場所だから合併されんだ」というセリフがある。東京では、頭で理解している合併でそれなりの反応。でも、実際に合併があった地方に行くと、拍手喝采を浴びる。そんなとき、このネタを作って良かったなと思う。お客様に対峙したときに何かが生まれる醍醐味、そのダイナミックな変貌が楽しみ。

若いときに作ったネタ(サラリーマン・シリーズ)のリハーサルをすると、若い時にはやたらに体を動かしていたと思う。でも今は俺は体が動かなくなってきた。そうすると、体を動かない方法を自然に選んでいることに気づく。そこで、あえて体を動かすことをやってみる。だから、自分のネタで2度楽しんでいるような感覚(笑)。


静岡に行くと元気がもらえる。5月の公演でも、“このネタは静岡の人たちのために作ったんだ!”と錯覚するほど、静岡のお客さんはテンションが最初からすごく高くてね。だから落ち込んでいるとき、静岡のスケジュールが入ると嬉しい。喜んで行くんだ。



f0207537_21573775.jpg060.gifStern Am Der Welt (17Hippies) El Dorado

ベルリンの13人編成ルーツ・フォーク・バンド
彼らも僕の友達。この曲は舞台で衣装替えの時に使っている。“今、ドイツのどこかでライブをやっているのかなあ”
なんて思いながら・・・。

 

         ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆

 イッセーさんにお誘い頂き、「マックス・ラーベ&パラスト・オーケストラ」のコンサートに加えて、居酒屋で行われた打ち上げパーティにも参加。“こんなすばらしい音楽があることを、日本の皆さんにお知らせしたくて”と、イッセーさんがマッスク・ラーベさんを日本に呼んで以来、今年で3度目の来日。

打ち上げパーティでは、イッセーさんがヴァイオリンを弾き、ラーベさんがそれにあわせて歌う。誰かが拍手し出すと、全員で拍手し始めて、何が起こっているのかわからないけど、「何かいいことがあったらしいよ」という、そんな雰囲気。言葉なんていらない、音楽があれば! あんなに楽しいパーティは初めてで感動しました。
      
     
       次週は、イッセー尾形さんが取り組んでいるワークショップ
          についてお話をお聞きします。お楽しみに!
 
   
           
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by crossroadmidori | 2009-08-28 22:48 | 2009.08.28〈イッセー尾形〉

イッセー尾形(俳優)   

イッセー尾形(いっせい おがた)
大切にしている言葉 “どんな瞬間にも意味のないことはない” 
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私が「最初にテレビでイッセー尾形さんを観たのは “お笑いスター誕生”でした」と切り出しましたら、どうして芝居を始めることになったのか、と云ういきさつをとても丁寧にお話してくださいました。

    2度の挫折(?)の後で・・・

大学受験に失敗。しょんぼり小田急線に乗って、外を見つめながら “どうしようかなあ” 。そして自宅浪人。でも早い話、ひとりじゃどうやって勉強したらよいか分からなくて挫折。“じゃあ,ギタリストになろう!”でもそれは勉強よりもっと早く挫折。渋谷でビル掃除のアルバイトをしていた時、本屋さんで見つけた “あなたも役者になれる”の文字。パントマイムをしていた女の子が一緒に働いていて、“パントマイム教えて” なんて言いながら、なんとなく人前で演じる予感のようなものがあった。そして渋谷の地下3階にあった演劇学校へ。試験はないし。。。もう挫折しなくていいんだ!!! その時の思い、“まざまざと風化しないで残ってるなあ” 

    森田雄三さんとの出会い!

19歳の時出会って、いろいろあって一旦別れて、でも偶然に再会して、最終的にまた一緒に仕事。“やっぱり役者をやりたいなあ”という思い。それで一人役者と一人演出家が誕生。28歳の時でした。それからシロウトとでも大丈夫らしいというので、大騒ぎして「お笑いスター誕生」に出て、でももう楽屋裏ではいっぱいいっぱいの気持ち。だって他の人は漫才、漫談、コントとスタイルがあって、ギャグもオチも分かる笑い。だからもういっぱいくじけそうになった。でもディレクターに言われた。「ギャグなんて向いていない。お前のいいところは、普通の人の日常をさりげなく丁寧に切りとるところだ。」

    もう何人くらい演じているのですか?
         
あと数年で800人くらいになるのかな?まず自分の中で「こういう奴はいるのか?」と聞いてみる。自分の中でいつもそういう禅問答。「いるだろう」と確信が持てたら、誰が観ても「あんな奴居るなあ」という反応がある。現実ではない。舞台での出来事。でも舞台の中にいる人はその辺りにいそうな人。それが外せないところ。でも時々外してしまうこともある。“あれ誰?”みたいな。そんな時は舞台の上で大慌てする。これはやり直ししようや、みたいなね。

作品は、お客さんの前に出してみないと分からない、笑ってもらえるかどうかの保証がいっさいない。そこが楽しくてやっている。

舞台の上だから笑っていられるけど、実際は居て欲しくない人。そういう歪んだ部分を演じるとお客さんが喜んでくれる。そんなことは出来ないし、そんな奴は嫌いなんだけれど、そういう人間を演じる掟破りの快感。自分がやろうとしている何かがそこにある。でもその答えは見つけないようにしている。自分が何をやるのか分からない、お客さんも何が出て来るのか分からない。そんな状態を延々引っぱり続けていきたいと思っている。
   

    舞台の袖で次の衣装に着替える!

最初は簡単に着替えられたんだけど、イタカジ・ファッションが出てきてからサラリーマンの洋服もいろいろ。女性の洋服もボタンとか肩パッドとか。。。演じる人物の幅が広がるからたいへん。初めて見る観客は次は何をするのかという期待感で楽しんでくれる。
  
    大切にしている言葉は、
“どんな瞬間にも意味のないことはない”そう思って余生を過ごそうかな。損得をとっぱらって、人生のどんな瞬間にも意味があるというプラス思考で楽しんでいこうと思っている。   

    静岡公演(静岡焼津文化会館/5月30日、31日)は、ラインナップを    考え中です。久しぶりだからベスト版をやろうかなと思っている。
          

         
f0207537_1585246.jpgマックス・ラーベ&パラストオーケストラ  



060.gif#3 Kein Schwein Ruft Mich An
060.gif#2 You Are The Cream In My Coffee
060.gif#15 Annabell




 
       ☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆           

イッセーさんがご自分のこと以上に熱心に話された、マックス・ラーベさん。イッセーさんは彼とドイツで出逢って仲良くなられたそうです。その後、彼と彼のオーケストラを初めて日本に招き、今年の夏は3回目のコンサートがあるそうです。

「私が“まだ番組に慣れなくて”と言ったら、“慣れない方がいいよ。慣れない自分を新鮮に楽しめば!”と素敵な言葉をくださいました。皆さんも一瞬一瞬を楽しみましょうね!
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by crossroadmidori | 2009-05-07 21:08 | 2009.05.08〈イッセー尾形〉